日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第10回大会
セッションID: P5-26
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ポスター発表5(知覚・感性)
一致試行出現確率と適合性効果の関連性
*蔵冨 恵吉崎 一人伏見 崇宏
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抄録
本研究では,一致・不一致試行の出現確率が適合性効果に及ぼす影響を検討した。刺激-反応適合性パラダイムを用いたこれまでの研究では,一致試行の出現確率が低い事態に比べて,それが高い事態において,適合性効果が増加することが示されている。しかし,適合性効果が,一致試行出現確率に伴って連続的に変動するのかは検討されていない。そこで,本研究では一致試行出現確率を5段階設定し,適合性効果の変動を検討した。本実験では,80名の成人が参加し,左右視野どちらかにランダム呈示されるフランカー刺激の中からターゲットの同定を行った。左右視野における一致試行の出現確率は17%,25%,50%,75%,83%のいずれかであった。実験の結果,適合性効果が18%で最も小さく,83%で最も大きくなり,一致試行の出現確率の増加に伴って,適合性効果の増加が見られた。このことは,視覚情報選択性の調整が一致試行出現確率に依拠して行われることを示唆している。
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© 2012 日本認知心理学会
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