日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第10回大会
セッションID: O4-5
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口頭発表4(社会・感情/人格・臨床/発達・教育・学習)
心因性の身体現象に関する因果的説明の発達
*外山 紀子
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抄録

心因性の身体反応に関する因果的説明を検討した。実験1では,4・5・8・11歳児(n= 69)と大学生(n = 21)に,身体性の身体反応(「食べ過ぎによる嘔吐」など)と心因性の身体反応(「緊張による嘔吐」など)がなぜ生じるか説明を求めた。生気論的説明(活力による説明)は,幼児および小学生の間では,身体性の身体反応について多かったが,大学生になると,心因性の身体反応について多く認められるようになった。実験2では,5・8・11歳児(n = 96)と大学生 (n = 24)に,身体性・心因性の身体反応 と心理的行動(「緊張によって爪をかむ」など)の説明を求めた。実験 1同様,生気論的説明は年齢があがるほど,心因性の身体反応について多くなったが,心理的行動についてはどの年齢群でもほとんど認められなかった。以上に基づき,生気論的因果の質的変容と,それが心因性の身体反応の理解に果たす役割を議論した。

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© 2012 日本認知心理学会
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