日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第10回大会
セッションID: O5-1
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口頭発表5(記憶②)
実際の記憶と虚記憶とに自己選択効果と遅延時間とが与える影響
*川﨑 弥生厳島 行雄山 祐嗣
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抄録

自己選択効果とは、複数提示される記銘項目の候補の中から、実験参加者自身が選択した項目を記銘するほうが、あらかじめ実験者によって決定されている項目を記銘する場合に比べて記憶保持が優れる現象のことである。Kawasaki, Itsukushima and Yama (2011, ICOM5)では、リスト語については自己選択効果が見られたが、ルアー語については自己選択効果が見られなかった。本研究ではルアー語を連想する単語リストを用いて、自己選択効果と遅延時間とが虚記憶の生成に与える影響で検討した。実験参加者は4つの単語リストを、自己選択条件及び強制選択条件の2つの実験条件で学習し、直後と1週間後に再生テストを受けた。その結果、リスト語は遅延時間で再生率が減少したが、ルアー語は遅延時間で虚再生率が増加した。したがって,ファジートレース理論が支持された。

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© 2012 日本認知心理学会
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