日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第10回大会
セッションID: P2-3
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ポスター発表2(認知神経科学/社会・感情/身体・比較/人格・臨床)
対象物の把持位置決定に関する脳内処理の解明
中心視条件と周辺視条件における把持位置
酒井 雅哉藤田 貴大*片山 正純
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キーワード: 把持位置, 中心視, 周辺視
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抄録
我々は,課題要求の異なる2つの把持運動課題(持ち上げ課題とつまみ課題)における対象物の把持位置が異なっていることを報告した.持ち上げ課題は対象物を把持して持ち上げる課題であるが,つまみ課題は把持後にテーブルから持ち上げない課題である.そこで,本研究では,中心視条件と周辺視条件を用いることにより,把持位置計算に関与する視覚メカニズムについて調べた.この結果,視野を中心視に制限した中心視条件では,持ち上げ課題の把持位置がつまみ課題と一致するように変化した.一方,視野を周辺視に制限した周辺視条件では,持ち上げ課題の把持位置が持ち上げ課題と一致するように変化した.これらの結果は,持ち上げ課題の把持位置計算には主に周辺視系が関与し,つまみ課題では主に中心視系が関与していることを示している.従って,課題要求の異なる把持運動課題のそれぞれの把持位置計算の視覚メカニズムが異なっていることを示している.
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© 2012 日本認知心理学会
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