日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第10回大会
セッションID: P2-12
会議情報

ポスター発表2(認知神経科学/社会・感情/身体・比較/人格・臨床)
名前の呼びかけに対する自動的処理
自己名と感情の効果
*荒生 弘史平尾 沙央里諏訪園 秀吾岩城 達也
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

相手の名前を呼ぶことは、相手の注意を引きつける働きを持つほか、感情的な意図を呼びかけに込めるなど、社会的関わりにおいて重要な役割を果たす。とりわけその感情伝達においては、伝達先(名前)の情報が同時に示されるという際立った特徴を持つ。本研究では、非注意の聴覚刺激として呈示される名前および同時に込められた感情に対する自動的反応について、事象関連電位を指標として検討した。実験参加者は、実験中、ビデオゲーム(音響効果なしのテトリス)に集中し、聴覚刺激は無視するよう教示された。事象関連電位のデータは、無視された名前刺激に対しても、200~300msの潜時において自他名の区別がなされていることを示した。さらにその後の潜時帯において、自己名において大きな感情効果が生じた。呼びかけにおける感情情報の独自性と、自他名の区別と感情の時系列処理に関して考察した。 

著者関連情報
© 2012 日本認知心理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top