日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第10回大会
セッションID: P3-16
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ポスター発表3(記憶①)
顔の全体的特徴または部分的特徴の評定が再認成績に与える影響
*波多野 文北神 慎司川口 潤
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抄録
本研究は,ターゲット顔の印象,または部分的特徴の評定が後の再認成績に与える影響の検討を目的とした.先行研究では,ターゲットの特徴を言語記述することで,何もしない場合よりもかえって再認成績が低下する現象(言語陰蔽効果)が報告されている.人物の言語記述には文章の評定や,印象の記述,客観的特徴の記述など,多様な方法が考えられるが,これまでの研究ではどのタイプの言語化が特に言語陰蔽効果を生じさせるかはあまり検討されてこなかった.本研究ではターゲットの部分的特徴を詳細に言語化する条件,ターゲットの部分的特徴を記述した文章を評定する条件,ターゲットの全体的特徴(印象)を記述した文章の正確さを評定する条件,フィラー課題を行う条件の4条件を設定し,後の再認成績を比較した.その結果,部分的特徴を評定・言語化した場合の再認成績は,数値上は統制条件の再認成績よりも低かったが,有意な差は見られなかった.
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© 2012 日本認知心理学会
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