日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第11回大会
セッションID: P3-2
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ポスター3 知覚・感性、注意、社会的認知
物体運動の方向が対象への情動認知と生物性認知に与える影響
*興梠 盛剛松田 憲楠見 孝
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抄録

本研究は方向性のある物体運動が対象への基本6情動(Ekman & Freisen, 1975)の知覚や生物性認知に与える影響を検討した。刺激は黒縁の円図形を使用し,呈示時間8秒間のうち7回の方向変化を伴い,8方向のうちある一定方向に移動する設定であった。また物体運動の方向変化タイミングと加速度を操作した。参加者は物体運動から知覚される情動を評価する群と物体の動きに関する評価を行う群の2群に分けた。実験の結果,物体運動から知覚された情動の評価では,喜び,驚き評価は上昇運動,悲しみ評価は下降運動で評価が上昇した。物体運動に関する評価では,各尺度はランダム変化条件,加速減速混合条件で評価が上昇し,生物性評価は喜びや驚きの知覚が生じた上昇運動で増加傾向にあった。これらの結果は感情の垂直性イメージスキーマ(楠見,2003)との関連が示唆され,物体運動の方向性による生物性認知への影響が示唆された。

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© 2013 日本認知心理学会
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