日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第11回大会
セッションID: P3-6
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ポスター3 知覚・感性、注意、社会的認知
視覚情報の強調がマガーク効果に与える影響
*今井 章平野 瑞木高瀬 弘樹
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抄録
視覚情報としての発声時の口の開き方を強調した刺激が,マガーク効果の生起率に及ぼす影響を検討した。視覚情報の強度を操作するため,合唱部学生に音韻を強調して発声させた映像を用いる視覚強条件,一般学生による発声の映像を使用した視覚弱条件を設定した。その結果,音節/ba/,/pa/,/ga/,/ka/において,視覚弱条件に比較して視覚強条件の方がマガーク効果の生起率が有意に高いこと,視覚強条件において,/ba/は/ma/,/ga/,/ka/,/na/よりマガーク効果の生起率が高く,/pa/,/ga/,/ka/は/ma/,/na/よりも生起率が高いことが示された。また,視覚弱条件においては,/ba/は/ma/,/na/よりも生起率が高く,/pa/,/ka/は/ma/,/ga/,/ka/よりも生起率が高かった。以上の結果から,視覚情報が強調された場合にはマガーク効果の生起率が増大し,視覚情報の与える影響は音節ごとに異なり,非唇音の映像と唇音の音声の組合せが,唇音の映像と非唇音の音声の組合せよりも,マガーク効果がより生じやすいことが明らかにされた。
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© 2013 日本認知心理学会
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