日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第12回大会
セッションID: P3-14
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ポスター発表3 知覚・感性,感情・動機
味覚と視覚の感覚統合に影響する個人特性の検討
*岸本 優里有本 早織米本 幸代高岡 素子矢野 円郁
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キーワード: 味覚, 視覚, 錯覚
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抄録

食べ物の味の弁別や美味しさの判断は,主に味覚によるが,嗅覚,触覚,視覚,聴覚といった他の感覚からの影響も受ける.本研究では,視覚が味覚に与える影響について,よく熟考するタイプか否か(熟慮性/衝動性)や,周囲の影響を受けやすいタイプか否か(被影響性)という個人特性によって,影響の受けやすさが異なるかどうかを調べた.認知的熟慮性および被影響性を測定する質問紙調査を行い,その結果をもとに実験参加者を選出し,ゼリーを用いた味覚判断の実験を行った.熟慮性が高く周囲の影響を受けにくい人では,ゼリーの色にかかわらず,全員が正しい味を回答できたのに対し,衝動性が高く周りの影響を受けやすい人では,見た目の色がゼリーの味の感じ方に影響した人が半数いた.この結果より,衝動的で被影響性の高い人は,味覚判断において視覚情報の影響を受けやすい(味覚と視覚の感覚統合が生じやすい)という可能性が示唆された.

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© 2014 日本認知心理学会
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