日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第12回大会
セッションID: P3-15
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ポスター発表3 知覚・感性,感情・動機
色が味覚判断に及ぼす影響 ―味覚順応法を用いた検討―
*日高 聡太下田 和優
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キーワード: 味覚, , 味覚順応
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抄録
これまで,色が味覚,特に甘味の判断に影響を及ぼすことが報告されている。しかし,色の効果が,味覚を「評価・判断」する認知的な側面にのみ影響をおよぼすのか,あるいは味覚を「感じる」知覚的な側面にまで影響を及ぼすのかについては十分検討されていない。そこで本研究は,味覚順応法を用いて,色が甘味の判断に及ぼす影響を検討した。無色の甘味溶液に順応させ,着色した甘味溶液に対して味覚判断を行ったところ,順応前後に関わらず,甘味と主観的に一致する色によって甘味がより強いと判断された(実験1)。一方,着色した甘味溶液に順応させ,無色の甘味溶液に対して味覚判断を行ったところ,色の効果はみられなかった(実験2)。判断対象となる刺激が着色されていた場合には色の効果が生じる一方,着色された刺激によって知覚的な順応効果は変化しなかった。したがって,色は主に味覚対象の主観的な印象や認知的な判断に影響を及ぼすと考えられる。
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© 2014 日本認知心理学会
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