意味的関連性を持たせた学習刺激を提示し,再認実験を行った。再認判断と確信度評定を同時行った場合でも,正答率と確信度評定の乖離が起こるのかを調べた。実験参加者 (N = 32) は,カセットデッキから聴覚提示される24単語を学習した。学習セットには意味的関連性が持たせてあり,単語提示間隔は,単語の朗読開始から,次の単語の朗読開始までを1.6秒に制御した。5分間の保持期間後に48単語 (旧項目24単語,新項目24単語) の視覚提示による再認判断と確信度評定を行わせた。刺激提示と再認判断,確信度評定には数直線の書かれた冊子を用いた。その結果,学習セットと意味的関連性が高い新項目について,正答率と確信度評定の乖離が生じた。信号検出理論を当てはめて検討すると,確信度評定と正確さの間に乖離は引き起こされないと考えられていたが,さらなる検討が必要であることを示唆した。