日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第12回大会
セッションID: O2-2-1
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口頭発表2-2 日本語セッション(知覚・感性1)
時間の共有感が仮想場面の没入感に及ぼす影響
*黒田 怜佑松田 憲楠見 孝辻 正二
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抄録

本研究は,時を告げる音に関する仮想場面への没入感を測り,参加者がどの程度情景をイメージできるかを検討した。また,どのような場面や音で人は時間の共有感・帰属意識が高まるか,さらには同じ音を聴く人達との仲間意識をどの程度得られるかを併せて検討した。刺激は呈示条件(画像と音,画像のみ,音のみ)の異なるグループで,13種類の呈示刺激に対して評価させた。その結果,画像と音を対呈示したグループでもっとも高い没入感が得られた。これは,視覚情報である画像の呈示と,聴覚情報である音源の呈示を同時に行ったため,参加者はより現実に近い仮想場面を認識できたと考えられる。また,時鐘施設の俯瞰景において,特に高い没入感が得られた。本研究で得られた結果により,時鐘施設による音は高い没入感を聴く人に与えることができ,情景に対する好意度と親近性,懐かしさの上昇が没入感の上昇を促進することを示唆していると考える。

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© 2014 日本認知心理学会
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