日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第12回大会
セッションID: O2-2-2
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口頭発表2-2 日本語セッション(知覚・感性1)
単純接触効果における温熱環境の影響
*松田 憲中元 俊介森岡 広樹樋山 恭助後藤 伴延小金井 真楠見 孝
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抄録

本研究では,PMV指標を用いて温度感を操作し,単純接触効果に及ぼす温熱環境の影響について検討した。参加者には,温熱環境に順応させた後にPMV5水準-2:さむい,-1:ややさむい,0:中立,+1:ややあつい,+2:あつい)と呈示回数5水準(0回,1回,5回,10回,15回)を操作して無意味輪郭図形を連続呈示し,刺激に対する好意度と親近性,新奇性,温冷感を7段階で,再認を2段階で評定を求めた。実験の結果,単純接触効果はややあつい環境(PMV+1)で検出された。一方で,さむい(PMV-2)ないし中立(PMV 0)な温熱環境下では単純接触効果は得られず,あつい環境下では提示回数の増加とともに一貫した傾向は見られなかった。以上より,単純接触効果研究では従来考慮されてこなかった温熱環境を,外的なノイズ要素として統制することの重要性が示されたといえる。

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© 2014 日本認知心理学会
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