形態類似性に敏感な人は、より頻繁に、実際は一度も体験したことがないのにすでにどこかで体験したことのように感じるデジャビュ体験をすることを明らかになっている。ただし、この「形態類似性への敏感さ」についての詳細は現在の所明らかになっていない。統合失調症患者は健常者と比較してデジャビュ体験の頻度が高いこと、また、統合失調症患者や統合失調症傾向が高い健常者は創造力が高いことから、「形態類似性への敏感さ」には「創造力」が関わっていることを仮説として研究を行った。その結果、デジャビュ体験の頻度が高い人は低い人と比較して、その画像の解像度の低い状態で、以前に体験したシーンと類似していると回答する傾向が高いことが示された。つまり、現在経験しているシーンから無意識的に創造力を働かせ、過去に体験したシーンと関連づけている可能性が示唆される。