Propper et al. (2013) は,「学習前に右手」で,「テスト前には左」で小さなゴムボールを握りしめる(hand-clenching)ことによって,他のパターンに比べて,単語の再生成績が向上することを示している.しかしながら,先行研究およびその実験結果に関する問題として,統制群と比較して記憶成績が向上しているわけではないという点が指摘できる.そこで,本研究では,DRMパラダイム(Roediger et al,. 1995)を用いて,Propper et al. (2013) の研究の再現可能性および虚再生への影響を検討した.その結果,先行研究の再現可能性が担保されただけでなく,hand-clenchingの効果がより強く示されうることが明らかとなった.