日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第12回大会
セッションID: O4-2-4
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口頭発表4-2 日本語セッション(知覚・感性2)
手の交差が自己接触錯覚誘起中のドリフトパターンに及ぼす効果
*小鷹 研理石原 由貴
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抄録

目を閉じた状態で一方の手でラバーハンドに触れると同時に, もう一方の手の対応部位が触覚刺激を受けることで, 自己接触の感覚が生起される(STI:self-touch illusion). STIの誘起時,「触れる手」と「触られる手」の位置感覚は, 互いに引き合う方向にドリフトすることが知られている. 手を交差しない状態では, 「触られる手」と比して「触る手」のドリフト量が優位となることが示されているが(Aimola Davies et al., 2013), そうした非対称性が生じるメカニズムは未だ不明である. 本実験において, 手の交差がSTIのドリフトに与える影響を調べたところ, 交差によりSTIのドリフト量が大幅に上昇すること(1), 非交差状態において観察される「触る手」を優位とするドリフトの非対称性が, 交差状態において消失し, ドリフトのパワーバランスが多様化すること(2)が明らかとなった. 以上の結果は, ドリフトが誘発される要因を同定するうえで重要な手がかりを与えるものである. 

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© 2014 日本認知心理学会
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