ニュース番組のような映像を,擬人化エージェントを利用して自動生成するシステムを開発し,新たな情報提供プラットフォームを実現するという試みが近年行われている.こうしたシステムでの情報提供効率向上のためには,映像内の各出演者が誰に関心を向けているのかという関心指向性を,視聴者がどのように認知しているのかを明らかにする必要がある.そこで本研究では,ニュース番組の出演者の関心指向性に対する視聴者の認知特性について,言語情報と非言語情報のいずれが観測特徴として重要かという点に注目して検討した.実験の結果,視聴者が利用する関心指向性判断のための観測特徴としては,基本的に言語情報よりも非言語情報が重視される傾向にあることが示唆された.