抄録
本研究は,既知楽曲を3水準設定し,さらに未知楽曲も加えて,各条件の楽曲の手がかり効果を調べた。実験に先行して,本実験に参加しなかった12名の大学生が,熟知度を評価した。先行研究で使用した既知・未知の楽曲をもとに選定した17曲を対象として,本実験に参加しなかった12名の大学生が,7段階で熟知度を評価した。その結果をもとに,4段階の熟知度条件を選定した。各熟知度条件には,15名の大学生を割り当てた。各大学生は,16個の有意味単語の提示を受け,項目に対する自由連想を行った。2.5分の保持期間後,自由再生テストを行った。偶発学習時と自由再生テスト時に,割り当てられた同一楽曲を提示した。その結果,熟知度の関数として,自由再生成績は有意に低下した。楽曲の熟知度が高くなるほど,様々な過去のエピソード画素の楽曲と連合しているため,実験エピソードの手がかりとなりにくくなるのであろう。