抄録
本論文は屋根雪による被害を防止する屋根散水システムに注目した.このシステムは雪が屋根の表面に積もる前に散水することで,積雪を防止するものである.散水水温が低下した原因を解明し,最適散水条件を探すことで,最終的に屋根散水システムを実用化することを目指している.
実験結果より,散水中,屋根全体の表面温度が一定になってからの屋根表面温度は散水水温と強い線形関係があることがわかった.流量の違いによる屋根表面温度と散水水温との関係は,大差ないこともわかった.また,散水の過程では,熱損失を考え,伝熱工学に一般的に使われる計算式を用い,散水水温低下の計算を行った.