抄録
Smith & Manzano(2010)は,自由再生課題において実験参加者内で文脈を操作して,非常に大きなビデオ文脈依存効果を報告しているが,不明な点も多い。彼らの実験では,ビデオ文脈は局所文脈として機能することが前提となっているが,グローバル文脈として機能している可能性も残る。本研究では,実験参加者間でビデオ文脈を操作した場合でも文脈依存効果が生じるかを確認するとともに,ビデオ文脈が局所文脈として機能しているのか,グローバル文脈として機能しているのかを検討することを目的とした。各条件20名の大学生が実験に参加し,20個のビデオ映像とともに対提示された20個の単語を意図学習した後、学習時と同じまたは初めてのビデオ映像を見ながら,口頭自由再生を行った。その結果、実験参加者間の操作でも文脈依存効果が生じることは確認されたが,ビデオの局所文脈としての機能はかなり限定的であることが示唆された。