日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第12回大会
セッションID: P2-6
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ポスター発表2 記憶,思考・言語
検索誘導性忘却の持続性
*吉井 英理子漁田 武雄
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抄録

検索誘導性忘却とは,ある情報の検索に伴い,それと関連する他の情報の記憶成績が低下する現象を言う。本研究では,この現象の抑制が時間経過によって解除されるか否かを検討した。MacLeod & Macrae(2001)は,人物名と性格特性語を材料とし,検索経験の5分後に再生を行う場合に生じた検索誘導性忘却が,24時間後には生起しないことを見出した。しかしこの24時間後の結果は,ベースラインの再生成績が低いため検索誘導性忘却が十分に検出できなかった可能性がある。そこで本実験では,再生成績を上げるため,MacLeod & Macrae(2001)の条件を以下2点で改善し実験した。(1)反復学習回数を増やす。(2)人物名ではなく性顔写真を用いる。その結果,5分後条件で生じた検索誘導性忘却が, 24時間後条件においても認められ,時間経過によって検索誘導性忘却の抑制は解除されないことが分かった。

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© 2014 日本認知心理学会
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