抄録
本研究の目的は、三次元変換イメージをどのように形成するのかとそのイメージを2次元にどのように表現するのかを検討することであった。被験者は、工学研究者で、日常的に2次元で表示されたものを立体イメージに変換することを行っているものであった。顔の白い奴さんという、被験者がこれまでに見たり折ったりしたことのない折り紙作品を提示し、折り図を作成するよう求めた。被験者は、よく知られている一般的な奴さんをおることには熟達していた。その結果、顔の部分を白くすることを最優先にし、その部分から作成し、残りの部分は目指す形にすることが可能になるように2ステップ先の形を想定して、頭の中で折り紙を操作しながら折り紙をおっていったこと、折り図作成の際には実際に折ったプロセスを2次元でも分かりやすいように工夫されたことが示された。ある形を作成ためには、数ステップ先の形をイメージすることが重要なことが示された。