日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第13回大会
セッションID: P-2-19
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ポスターセッション2
メタ認知能力を測定する記憶課題作成の試み
三浦 大志*伊東 裕司
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抄録

メタ認知能力を測定するための質問紙は多数存在するが,質問紙に回答するにはメタ認知能力が必要であるため,メタ認知能力を質問紙で測定することは方法論的な問題を含んでいる。そこで本研究では,内観に頼らずにメタ認知能力を測定する認知課題を作成することを目的とした。覚えるべき単語の取捨選択や各単語への適切な時間配分が必要な記憶課題を作成し,質問紙や他の課題との相関を分析した。30名が参加した実験の結果,本課題において,21名が覚えるべき単語の取捨選択を行っていたなど,限られた学習時間の中で難度の高い課題に対して最善な学習を行うためにメタ認知が活用されたことが推察された。しかし,本記憶課題と,メタ認知能力を測定した質問紙およびメタ認知能力が反映される他の課題との間に有意な相関は確認されなかった。本課題がメタ認知能力を大きく反映したテストであるのか,その妥当性を検証するためのさらなる研究が期待される。

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© 2015 日本認知心理学会
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