抄録
本研究では小学1,4,6年生を対象に,事物の数,長さ,色,場所につき,異なる詳細さでの報告を求める2つの教示(だいたい/正確に教えてください:概ね教示,正確教示)を異なる順序で行い(概ね-正確教示の順で行う「概ね先群」,正確-概ね教示の順で行う「正確先群」),言語報告を求めた。加えて,「答え」だと思う数や色,場所の範囲(心的表象)と,教示の理解や違いの説明(メタ認知)を調査し言語報告との関連を検討した。結果,言語報告は,正確教示の方が概ね教示よりも詳細な回答が多く,特に1年生よりも4,6年生,正確先群よりも概ね先群で顕著だった。心的表象は,正確教示がなされたとき,狭く詳細な範囲が「答え」とされることが多かった。メタ認知のレベルは,4,6年生の概ね先群で高かった。このことから,詳細さのコントロールは,心的表象の発達が基盤にあること,メタ認知のレベルが学年差や群間差と関連することが示唆された。