日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第13回大会
セッションID: P-1-13
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ポスターセッション1
行為の記憶における場所スキーマと物品スキーマの影響の比較
山田 涼馬*厳島 行雄
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抄録
人間の記憶は,体験した出来事の単なる記録ではなく,その出来事に関する知識であるスキーマの影響を受けている。例えば特定の場所において行われなさそうな行為を見た場合には違和感を抱き,その違和感を後々まではっきりと覚えている。これは「その場所で行われそうな行為か否か」というスキーマが行為の記憶に影響を及ぼした例であるが,発表者は,「置いてある物品を使用しそうか否か」というスキーマも行為の記憶に影響を及ぼすと考えた。その上で,前者の場所スキーマの方が,後者の物品スキーマよりも強く影響すると予想し,場所に一致するか否かと物品に一致するか否かの参加者内2要因実験デザインで,行為を映像提示してから記憶課題を行った。結果,物品を使用しそうにない行為よりも,その場所で行われそうにない行為の方が,それを見た時の感情が想起されていた。予想通り,物品スキーマよりも場所スキーマの方が行為の記憶に強く影響した。
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© 2015 日本認知心理学会
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