日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第13回大会
セッションID: P-1-33
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ポスターセッション1
視覚的―聴覚的注意課題間におけるマインドワンダリングの違い
紀ノ定 保礼*藤井 達史*篠原 一光*伝保 香織*塩谷 武司*芝垣 佑美
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抄録
現在従事している課題に対する注意コントロールが失敗し、課題無関係な思考が生起することを、マインドワンダリング(以下MW)と呼ぶ。先行研究では主に視覚的な注意課題を用いて、課題中のMWの生起機序が検討されてきた。しかし、聴覚刺激は視覚刺激に比べてより自動的に注意を捕捉するため、視聴覚刺激に対する注意コントロールは持続の仕方が異なると考えられる。本研究では、新たに聴覚的な注意課題を用いることで、課題モダリティがMWに及ぼす影響を検証した。さらに、注意コントロールを司る実行機能の働きを反映する、ワーキングメモリ容量(WMC)を測定した。実験の結果、次の2点が明らかになった:(1) 聴覚的課題では、MW頻度はWMCの調整を受けるが、MWの表れ方は調整を受けない。(2)視覚的課題では、MW頻度はWMCの調整を受けないが、MWの表れ方は調整を受ける。よってMWは課題モダリティにより左右されるといえる。
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© 2015 日本認知心理学会
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