抄録
近年,注意バイアス修正法が不安の低減に有効であることが報告されている(Hakamata et al., 2010; Mogoase et al., 2014)。 本研究では,スマートフォンによる注意バイアス修正法のアプリを新たに開発し,実験群,統制群,待機群の3群で不安低減の効果を比較することを目的とした。実験の結果,トレーニングの効果には,統計的に有意な効果が認められなかった。サンプルサイズが少ないながらも,トレーニング前時点での不安が高い実験群と統制群は,待機群と比較して,効果が見られる傾向が読み取れ,先行研究(Enock et al., 2014)と同様の結果が得られた。今後はサンプルサイズを増やし,効果を検証する必要がある。