日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第14回大会
セッションID: P3-05
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ポスターセッション3
お守り贈与の繰り返しによる伝達機能の減少
*渡邉 和弥木村 真利子在原 克彦有賀 敦紀西田 公昭
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抄録
お守りにはコミュニケーションやサポートの伝達手段としての機能があると考えられている。本研究は,場面想定法により(1)贈与者自身が購入したお守りを渡される場面(直接贈与)、(2)第三者が贈与者に与えたお守りを「もらいもの」と言って渡される場面(間接贈与(宣言あり))、(3)第三者が贈与者に与えたお守りを「もらいもの」と言わずに渡される場面(間接贈与(宣言なし))を設定し、そのお守りの価値、効果、及び抵抗感を参加者に評定させた。お守りの代わりに薬が渡される場面が統制条件として設定された。その結果、間接贈与(宣言あり,宣言なし)の場面では、直接贈与の場面よりも価値や効果が低く、抵抗感が高く評価された。また、お守りと比較して薬を渡される条件では場面による変化が小さかった。以上の結果から、お守りの贈与行為は伝達機能としての側面に重点が置かれ、その伝達機能は繰り返すことで減じられることが明らかにされた。
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© 2016 日本認知心理学会
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