日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第14回大会
セッションID: P3-33
会議情報

ポスターセッション3
表情と音声による情動認知の文化差とその発達的変化
*河原 美彩子Sauter Disa田中 章浩
著者情報
キーワード: 情動認知, 文化差, 発達
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
多感覚的な情動認知は文化の影響を受け、日本人はオランダ人に比べ音声感情を重視しやすい (Tanaka et al., 2010)。本研究では、このような文化差が5~12歳の子どもおよび大人においてどのように発達するのか検討した。実験では、表情と音声感情が一致または矛盾する動画を呈示し、それが喜びと怒りのどちらを表現しているか参加者に判断させた。その結果、音声感情を選択した割合(以下、声選択率)は、大人では特に喜び顔が怒り声とともに呈示された場合にオランダ人よりも日本人の方が高いことが示された。さらに、この組み合わせにおける声選択率は5~6歳の時点では低く、日蘭間に差がみられないが、それ以降日本人においてのみ増加がみられた。この結果は、日本人にとって表情と音声感情の組み合わせに意味があり、さらにその文化特有の感情の表出および解読規則は児童期において年齢とともに獲得されることを示唆している。
著者関連情報
© 2016 日本認知心理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top