日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第14回大会
セッションID: P1-17
会議情報

ポスターセッション1
自然物・人工物の集合体画像が集合体嫌悪に及ぼす影響
*古野 真菜実今泉 修日比野 治雄小山 慎一
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
蓮の花托などの集合体に対する嫌悪はトライポフォビアと呼ばれる。トライポフォビアを誘発する視覚刺激の物理的要因については詳細な検討が行われているものの(Le et al., 2015),認知的要因については検討されていない。本研究では認知的要因について探索的に検討した。トライポフォビア喚起刺激(Le et al., 2015)に対する不快感評定実験の結果,集合体を有する物体が自然物か人工物か(e.g., 蓮かスポンジ)によって不快感が異なることが示唆された。さらに詳細に検討するため自然物・人工物の集合体画像からなる新規刺激を用いて不快感評定実験を行ったところ,自然物は人工物よりも不快感が強かった。以上の結果から,集合体を有する物体における自然物・人工物の違いがトライポフォビアに影響する可能性が示唆された。身体損壊や有害生物の連想からトライポフォビアが生じるとするならば(Cole & Wilkins, 2013),集合体を有する自然物はそのような連想を起こしやすい可能性がある。
著者関連情報
© 2016 日本認知心理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top