日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第14回大会
セッションID: P2-24
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ポスターセッション2
達成目標のちがいがDRMリストの虚記憶生起に及ぼす影響
*山根 嵩史徳岡 大中條 和光
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抄録
Dweck (1986) の達成目標理論では,習得目標と遂行目標の分化が仮定されている。近年,これらの目標の違いが,記憶課題における項目処理に影響を及ぼすことが見出されている。本研究では,DRMリストの虚記憶を指標として習得目標の下で項目の関連性処理が促進されることを検証した Tokuoka, Yamane, and Osumi (2016) について,実験事態を集団から個別に変更して追試を行った。その結果,先行研究の結果は再現されず,両条件の虚記憶の生起率に有意差は見られなかった。実験室における個別実験では,参加者の心的努力の程度が高くなると仮定した場合,達成目標の違いに関わらず,個々の項目を処理する毎に活性化拡散によってルアー項目の活性化が生じた,また遂行目標条件では,維持リハーサルによって強い活性化拡散が生じ,正再認率及び虚再認率が共に高くなった可能性がある。本研究の結果より,達成目標が項目処理に影響する際に,心的努力が媒介変数として機能する可能性が示唆された。
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© 2016 日本認知心理学会
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