日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第15回大会
セッションID: P3-14
会議情報

ポスター3 《思考・言語, 感情・動機, 社会的認知》
感情認識が内受容感覚に与える影響
田仲 祐登伊藤 友一柴田 みどり寺澤 悠理梅田 聡
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
嫌悪,恐怖,喜びといった情動の生起には,自律神経反応が伴っている。情動によって生じる自律神経反応は意識的に感じられることがあり,自律神経反応を含めた身体内部の状態の知覚は内受容感覚と呼ばれている。本研究では,内受容感覚の意識的な感じやすさが,情動の種類あるいは性格傾向の違いによって異なるのかを検討した。参加者は嫌悪,恐怖,喜びを喚起させる画像を見たときに,自身の身体に変化が生じたかを答えた。内受容感覚を知覚できた刺激の数は嫌悪の情動が最も多く,次いで恐怖,喜びの順番であった。また,アレキシサイミア傾向が高い人は,恐怖の情動に対して身体の変化を感じにくく,状態不安の高い人は,喜びの情動に対し,身体の変化を意識的に知覚しやすかった。これらの結果は,意識的な内受容感覚は情動の種類によって感じやすさが異なっていること,それは性格傾向の影響も受けていることを示唆している。
著者関連情報
© 2017 日本認知心理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top