抄録
2つの語を同時に学習する対連合学習についての研究は多くみられる(e.g., Reese,1970;Rohwer, 1973)。また,単語を読み上げるより自ら生成したほうが,記憶成績が良いことを示した研究も多くみられる(e.g., Slamecka & Graf,1978;Graf,1980)。しかし,上記の2つを統合した,自己生成を踏まえた対連合学習について検討を行った研究はみられない。そこで本研究では,架空の外国語(手がかり語1,ex. セントヤブル)と,その和訳として実験上で付した和訳語(手がかり語2,ex. シャツ)の学習をする際,和訳語とカテゴリ的に関連性の高い関連語(ターゲット語,ex. ズボン)を呈示した場合より,学習者に関連語を自己生成させた場合に,外国語と和訳語の連合が強まるか検討した。テストとして架空語と和訳語のマッチングテストを使用した結果,呈示条件と生成条件の差はみられなかった。