日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第15回大会
セッションID: P2-17
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ポスター2 《知覚・感性, 人格・臨床, その他》
絵画鑑賞時の身体動作が評価および眼球運動に及ぼす影響
三浦 慎司高瀬 弘樹
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抄録

絵画の中の点描やストロークなどの筆づかいと一致または不一致の手の動きをすることで絵画の好ましさの評価が変わることが最近の研究によって示されている。この原因として視覚の関与が考えられたため、本研究では眼球運動を指標として絵画鑑賞時の身体動作が視線に及ぼす影響について検討した。その結果、点描画を描くときの動作をすると点描画に対する好みは高くなり、視線の平均停留時間は長くなることが示された。この結果は、鑑賞者の注意が手の動きと一致した筆づかいに向けられ、何が描かれているのかよりもどうやって描かれているのかに着目して目の動きが減ったことによると推測された。このように、本研究では身体動作が絵画の知覚過程に影響を及ぼすことが示されたが、知覚と評価の関連性やストロークの動作は好みの評価および眼球運動のどちらにも影響が無かったことに関しては、更なる検討の必要があるだろう。

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© 2017 日本認知心理学会
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