日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第17回大会
セッションID: O4-01
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口頭発表4:記憶
メタ記憶における内的表象抑制の影響
*高城 雅裕杉森 絵里子
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抄録

自分の実行したことと実行していないことの区別をする認知過程を,アウトプットモニタリングという(Koriat & Ben-Zur, 1988)。本研究では,意図の抑制とアウトプットモニタリングの関連を検討した。実験1では,単語記憶課題を実施し,単語再生中に課題を「中断」もしくは「完了」した。その後アウトプットモニタリングを行った。その結果,時間が経過すると反復エラー数が減少し,メモなし学習条件では脱落エラー数が多くなった。実験2では,「中断」と「完了」を被験者内要因とし再検討した。その結果,「完了」することで反復エラー数が多くなり,意図の抑制がアウトプットモニタリングに影響を与えることが示唆された。一方,「中断」・メモなし学習・1週間後テストの条件下において,脱落エラー数が最も多くなり,「記憶痕跡が強い」というメタ記憶がエラーの原因であることが示唆された。個人特性との関連も併せて検討した。

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© 2019 日本認知心理学会
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