同じ情報に繰り返し接することによって、そこにある規則性が獲得され、効率的な情報処理が可能となる。こうした学習は、言語の直後系列再生課題においてはHebb反復効果によって確認されており、そこでは、どのような項目がともに出現するかという規則性と、どの位置にどのアイテムが出現するかという規則性の少なくとも2つが同時に学習されていることが知られている。Hebb反復効果自体は、視覚領域と聴覚・言語領域の両方で見られるが、そこに領域一般的な1つのメカニズムが存在しているのか、あるいは似たアルゴリズムを持つ複数のメカニズムが共存しているのかについては明らかではない。本研究の結果、視覚領域と聴覚・言語領域では2つの規則性に異なる重み付けをしていること、また、反復学習効果が生じるためには、項目は継時処理されなければならないことが示された。これらは規則性の学習メカニズムにおける重要な要素であることが示唆される。