日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第17回大会
セッションID: O5-02
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口頭発表5:感情・動機づけ
くっきり画質で気持ちくっきり:画像解像度の感情価への影響
*今井 俊輔中山 真孝前浦 菜央内田 由紀子大野 優美子有本 聡是永 継博
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キーワード: 画像解像度, 感情, 混合感情
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抄録

科学技術の進展により、人間の認知システムが対象とする環境世界が変わりつつある。その一つの変化として、高精細ディスプレイ技術により直接体験していない物事を超高解像度で視ることが可能となった。画像解像度の向上は認知にどのような影響を与えるのだろうか?本研究では、視覚的解像度の向上で感情の解像度も向上し、混合感情が生じにくくなるという仮説を検討した。2つの実験で呈示動画の解像度を操作し、動画中の感情について複数の正負感情項目への評定を求めた。正感情項目と負感情項目の個人内相関を混合感情の指標とした。結果として、高解像度条件では、正負感情の相関がより負の方向に変化し、視覚的解像度向上で混合感情が経験されにくくなることが示された。本研究が例証したように、認知心理学の理論と方法論は、科学技術で環境世界が変化するとき、どのように認知が変わりうるのか、明らかにするのに有用であろう。

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© 2019 日本認知心理学会
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