日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第17回大会
セッションID: O7-02
会議情報

口頭発表7:注意
自己観の変化が視覚的注意のスポットライトの大きさを調節する
小林 穂波小川 洋和
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

視覚的注意が低次の要因だけではなく、高次の要因によっても影響を受けることはよく知られている。近年、社会的な役割や関係性についての考え方の変化が視覚的注意の空間特性に影響を及ぼす可能性が徐々に明らかにされてきた。本研究の目的は、他者との関係性に基づく自己観の変化が、視覚的注意の焦点の範囲を変化させるかを明らかにすることであった。自己観を操作する課題の前後にフランカー課題を実施し、課題非関連刺激からの認知的干渉の変化を測定した。さらに課題標的と課題非関連刺激との空間的距離を操作して、自己観の操作によって視覚的注意の焦点の大きさがどのように変化するかを検討した。その結果、相互協調的自己観を活性化された参加者は、相互独立的自己観を活性化された参加者に比べて標的に近接する課題非関連刺激からの認知的干渉が大きくなった。この結果は、自己観の変化によって視覚的注意の焦点の大きさが調節されることを示唆している。

著者関連情報
© 2019 日本認知心理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top