化粧品の価値は、その機能性だけでなく、肌へ塗布しているときの使い心地といった感性的価値に対して重視される傾向が高まっているが、化粧品使用時の感触変化をリアルタイムで取得する官能評価手法は定まっていない。本研究では、手元にスキンケア品を塗布しているときに生じる触覚的印象の変化を時系列で捉えるために、Temporal Dominance of Sensations法(Pineau et al., 2009)を用いた評価法を検討した。我々の手法では、評価者の塗布行動や触知覚を阻害しないために、評価者が感触特性項目を視線により選択する回答手法を採用した。本手法により取得された2種のスキンケア品における塗布中の感触動態特徴および、評価者の化粧意識の違いによる感触動態評価の比較を行った結果について報告する。