日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第18回大会
セッションID: PT2_48
会議情報

ポスター2
離人症者は外的刺激の自己関連づけが困難なのか?
山本 一希本多 樹中尾 敬
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

離人の主要な特徴として,非現実感がある。非現実感とは,自身の思考や行為が外界の環境や自分 自身と切り離されている感覚であり,離人症者は外的刺激を自己と結び付けることに困難を感じてい ることが先行研究により示唆されている。しかし,先行研究では刺激として参加者の自己顔しか用い られていない。そこで本研究では,離人の程度が高い人々は自己顔以外の刺激に対しても自己関連性 の認識に困難を示すのか検討を行った。離人の程度は質問紙を用いて測定し,自己関連性の認識の困 難さは幾何学図形と自己や他人とのマッチング課題遂行時の反応時間と正確さを用いた。その結果,離人の程度とマッチング課題から得られた両指標とには関連が認められなかった。この ことから,離人症者の自己関連性の認識の困難さは,自己顔といった日常的に自己と関連付けられう る刺激に対して引き起こされる可能性が示された。

著者関連情報
© 2021 日本認知心理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top