主催: 日本認知心理学会
会議名: 日本認知心理学会第18回大会
回次: 18
開催日: 2021/03/03 - 2021/03/04
当初買う予定のなかった商品を店頭のPOP広告に誘発され、うっかり購入することは日常でもよく経験する。本研究では、このような非計画購入を誘発しやすい書体について、主にサーストンの一対比較法を用いて検討した。ミカンやリンゴ、メロンなどの果物名をMS明朝体、HG行書体、NemukeMedium等の9種類の書体で一対ずつ左右に並べて印刷し、どちらの書体で印刷されたものがより購入したいか強制的に回答を求める調査用紙を大学生を対象に配布し、100名分の分析対象データを得た。分析の結果、HG創英角ポップ体がもっとも購入意欲を喚起し、ついでHG丸ゴシックM-PROやMSゴシックが刺激し、しろくまフォントや851チカラヅヨク-かなBフォントはもっとも購入意欲に影響しないことが示された。丸味を帯びた書体の方がポジティブな影響を示したのは、果物が対象であったせいかもしれず、今後の検討課題である。