日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第18回大会
セッションID: PT1_4
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ポスター1
短期間走行データを用いた高齢ドライバのリスク推定
山岸 未沙子
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抄録

高齢ドライバに関して,同じ年齢群ならば年間走行距離の短い方がリスクが高いLow Mileage Bias (LMB) が提唱され,その一因に認知機能低下による制限が挙げられた.近年では,質問紙による走行距離の正確性への疑問から,実際の走行距離でも実証されている.この実走行データは正確ではあるが,年間ともなれば高コストである.短期間データでもLMBが確認できれば,正確かつ早期に高齢ドライバのリスクを評価できる.本研究では,GPSによる距離データからドライバを年間3000 km未満,3000 km以上,月間250 km未満,250 km以上の低群,高群に分類すると共に,走行距離,年齢群,性別で高齢ドライバのcrash and near-crash (CNC) の発生を推定した.月間データでもLMBがみられれば,低群のCNCは多く,認知機能も低いはずである.その結果,月間走行距離でも低群のCNCが多いというLMBがみられ,Trail Making Test成績の低下も示唆されたことから,短期間データでの高齢ドライバのリスク推定への可能性が得られた.

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© 2021 日本認知心理学会
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