主催: 日本認知心理学会
会議名: 日本認知心理学会第18回大会
回次: 18
開催日: 2021/03/03 - 2021/03/04
会社間の契約交渉のような、異なる組織に属する個人間のコミュニケーション場面では、所属する組織の力関係を背景に不適切な言動(発言や要求)が行われる場合がある。本研究では、この背景要因を明らかにするため、会社間の契約交渉を模擬した課題(堀下・小倉(2019)を改良)を用いて実験を実施した。交渉はPC上で行われ、実験参加者は発注者の立場で受注者(実際にはプログラムによる自動応答)と交渉を行った。会社間の権威差(あり/なし)と個人間の知識差(あり/なし)の2つの要因を操作し、参加者が交渉中に用いる威圧的発言数を比較した。その結果、権威差の主効果が認められ、権威差がある(発注者>受注者)場合には、権威差がない(発注者=受注者)場合と比べて威圧的な発言を多く用いることが示された。しかし堀下・小倉(2019)と同様に、知識差については影響が認められなかった。