日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第19回大会
セッションID: O-B08
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口頭(知覚・注意)
衝突時間推定における恐怖表情の影響は視線方向に調整される
*山崎 大暉平谷 綾香永井 聖剛
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抄録
自己に接近する他者の衝突時間推定は動的環境での安全な行動に必須である。衝突時間推定は対象の脅威や不快感で短縮することから(Vagnoni et al., 2012),接近顔のネガティブ表情や直視視線は推定される衝突時間を変調する可能性がある。本研究では,視角の経時変化によって接近運動を模した顔刺激の衝突時間推定課題を実施し,表情(恐怖・無表情)と視線方向(直視・逸視)の影響を検討した。参加者は暗室のモニタに呈示される接近顔を立位姿勢で単眼観察し,顔が自分に衝突すると思う時刻にキー押しした。実験の結果,逸視条件では恐怖顔の衝突時間が無表情顔と比べて短く推定されたが,この表情効果は直視条件では消失した。本結果は,衝突時間推定における表情効果が視線方向に調整されることを示す。直視による顔情報処理の促進が(Hamilton, 2016),表情によらない安定的な接近運動知覚に寄与した可能性がある。
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© 2022 日本認知心理学会
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