日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第19回大会
セッションID: P1-A02
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ポスターA
車載機器を模したLED点灯がブレーキランプ検出に与える影響
*川島 朋也木村 司篠原 一光
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抄録

近年、運転者がスマートフォンなどを車載機器として運転席近傍に置いて利用する例が増えているが、それが運転者の注意を損なうリスクは十分に検証されていない。本研究では、参加者近傍に配置した車載機器を模したLEDの点灯が注意を捕捉する過程を検証した。実験参加者(n = 20)はモニタ上に横に3台配置された自動車の画像を観察し、ブレーキランプの検出が求められた。参加者の左右近傍にLEDを配置した。LEDとブレーキランプ点灯位置の一致性(一致、不一致)ならびにLED点灯からブレーキランプ点灯までのSOA(50、150、350、550 ms)を操作した。実験の結果、SOAの有意な主効果が認められ、LED点灯直後のブレーキランプ検出が遅延することが示された。さらにSOAが550 msの条件では、不一致条件よりも一致条件の反応時間が遅くなる復帰抑制が見られた。これらは、車載機器の視覚情報によって注意が空間的に捕捉され、車外空間の視覚情報検出が遅延する可能性を示唆する。

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© 2022 日本認知心理学会
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