主催: 日本認知心理学会
会議名: 日本認知心理学会第19回大会
回次: 19
開催日: 2022/02/28 - 2022/03/01
高度情報化社会では仕事における創造性に大きな価値がおかれ、より多く創造性の高い結果を産出できる作業環境に関心が集まっている。創造的思考は、一般的な認知活動と異なり、課題との関連が少ない情報にアクセスすることが重要である。注意が作業からそれるような注意散漫な状態は、作業に直接的に必要な情報以外を取り組むようにするため、その状態にある人がより多く情報にアクセスできると考えられる。本研究は、このような注意状態が創造性向上に寄与できると考えており、それを引き起こす可能のある環境要素として、スマートフォンの存在の有無と自然接触の有無を実験的に操作することによって創造性が向上するかを、遠隔連想課題(RAT課題)を用いて検討した。その結果、スマホの有無は、RAT課題の成績を向上させたが、自然接触の影響は見られなかった。このことから、スマホの存在が作業者の注意状態に影響し、創造性を高めることにつながると示唆された。