抄録
2019年の就業者全体に占める高齢者の割合は13.3%となり(総務省,2020),高齢者が持続的に就労するためには安全に健康で働く環境を整備する必要がある.すなわち,日常生活や働く場面における危険やエラーがどのように発生するのかを明らかにし,それらを防止する方法を見出す必要がある.エラーや失敗には注意機能が関与していることが多いことから,本研究では住民健康診断に参加した中高年齢者を対象として注意特性やエラー特性を検討することを目的とした.対象者は2016年から2019年の4年間に実施された住民健康診断に連続して参加した72名とした.職業として,専門/技術職,事務職,農林漁業,自営業,主婦,無職,その他のいずれかに回答を求めた.注意特性を評価するためにD-CAT(Digital Cancellation Test:数字末梢課題)を実施した.得られた結果から,就業経験の違いによって注意特性がどのように違いが見られるのか,またその経年変化について議論した.