日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第19回大会
セッションID: P1-B08
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ポスターB
拡張的・非拡張的パーソナルスペースと対人印象の関連:
被侵害感情と対処行動に着目した検討
*宮代 こずゑ磯 真奈美
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抄録

パーソナルスペース(以下PSとする)に他者が侵入することで,息苦しさや嫌悪感が生じる。一方で,自身の身体そのものではなく,自身の所持品を取り巻く空間などに拡張した「自己」の範囲を,拡張的パーソナルスペース(以下拡張的PSとする)と呼ぶ。本研究では実験参加者とサクラの「ソファーの座り位置の接近度」を操作し,PSの侵害が生じたときに被侵害感情が生起し,さらに侵害されたPSを補うべく拡張的PSを維持するための対処行動が生起するかに着目した。大学生21名を対象とした実験の結果から,PS侵害条件において,参加者がソファーの座り位置を調整しようとする「座り直し」がより多く生起した。また,サクラに対してより「気まずさ」を感じている参加者は,サクラの手荷物とより遠い位置に自分の手荷物を置くこと,サクラに対してより「嫌な感じ」という印象を持った参加者は,逆にサクラの手荷物と近い位置に自分の手荷物を置くこと等が示された。

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© 2022 日本認知心理学会
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