抄録
目の前の物体について判断する際に、その横に他者の身体が見えるだけで、物体の判断に影響するようになる。先行研究では、回転したアルファベットが正像か鏡像かを判断する課題中に、横にいる他者側に回転したものの方が、逆側に回転したものよりも速く判断できることが示されている。実験1ではこの課題をオンラインで行い、観察者から120度他者側に回転したときに、他者がいることによる促進効果が最も大きくなることがわかった。実験2では文字と他者の距離を操作し、他者の影響が見られる範囲を検討した。その結果、文字が他者から遠い位置にあると、他者の影響が小さくなる傾向にあった。しかし、課題への馴れに個人差があり、距離による違いは統計による支持を得られなかった。今後は個人差などを考慮しながら、他者が物体の認知の仕方に与える影響と物体までの距離の関係性を検討する。