日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第19回大会
セッションID: O-A06
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口頭(感情・思考・発達)
BGMの自己選択が持続的注意課題の取り組みに及ぼす影響
―BGMを自分で選ぶとやる気が高まる―
*市村 賢士郎平井 志歩水野 廉也
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抄録
課題の取り組みに対するBGMの効果の有無や,どのようなBGMがよいかについての先行研究の結果は一貫していない。その一因として,テンポや感情価などBGMには複雑かつ多様な要因が関連していることが挙げられる。本研究では,よりシンプルな要因として,BGMの自己選択の効果を検討する実験を行った。AI作曲ツールを用いて参加者が作成したBGMの中から,課題中に聴きたいものを自分で選択する条件(自己選択条件),ランダムに選択される条件(ランダム条件),BGMなしの条件(統制条件)で持続的注意課題の取り組みを比較した。大学生65名のデータを分析した結果,課題成績には条件間で差が見られなかった。一方,主観的な集中度は統制群の方が,自己選択条件やランダム条件よりも高かった。また,課題の楽しさは自己選択条件,ランダム条件,統制条件の順で高かった。BGMを自己選択することで,低い集中への意識で,課題を楽しみながら,成績を維持できる可能性がある。
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© 2022 日本認知心理学会
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